Journal

Our thought, our passion.

茶箱月点前(拝見あり)Chabako Tsuki demae with viewing

2024年9月   昨日は中秋の名月でしたので、茶箱の月点前をお稽古しました。 年に一回のお稽古、それも拝見のある場合はなかなかお稽古が出来ていませんでしたので、今回は時間のかかるこのお稽古にチャレンジです。 月点前は茶箱点前の中でお道具の勢揃いです。 茶箱、筅筒、巾筒、振出の他、仕服に入った茶碗・棗・茶杓、掛合、器据、ウグイス、小火箸、香合、小羽根。 拝見がかかると掛合の上に、浄めた棗、茶杓、香合をのせ、次に筅筒、巾筒、3つの仕服の入った箱を拝見に出します。 こまごましたお道具を拝見に出す手順、拝見から戻ったお道具類をしまって片づけていく手順、どれも理路整然とした無駄のない所作です。これを考案された11代玄々斎精中宗室の偉業に脱帽です。   Yesterday was the Harvest Moon Festival, so we practiced the Moon procedure with viewing(Haiken), one of the tea box series. This […]

大円之草 Daien no so

2024年8月 上級の生徒さんを対象に大円の草・風炉点前のお稽古をしました。 お菓子は縁高に五種を盛りました。きんとん、上用など、手に入らないものは見立てで用意しました。 この点前には真台子を用い、道安風炉に阿弥陀釜をかけます。 唐物の茶入れ、和物の茶入れ、茶巾・元節茶杓を仕込んだ天目茶碗をおいた天目台、これらを大円盆にのせて水指正面に準備して、お菓子を出しお客様を迎え付けます。 唐物茶入、和物茶入の扱いで仕覆をそれぞれ脱がし、茶入れを浄め所定の位置に置き、大円盆も『圓』に浄めます。 それぞれの扱いに従って、唐物茶入れのお濃茶と続いて和物茶入れのお濃茶、2服を点てお出しした後に、二つの茶入れとお仕覆、茶杓を大円盆の中において、拝見に出します。 差し通し柄杓で置き柄杓,切り柄杓を交互にして湯を汲むこと、点前座へ膝行で進み、膝退で退くなど、新たに学ぶことが多々あり、気を抜けない点前に身が引き締まる思いでお稽古しました。   The advanced students practiced the Daien no so procedure using a furo. Five sweets were arranged on a fuchidaka tray, including […]

御園棚

  2024年8月 9月のレイバーデーホリデーに開催される恒例の日本祭。 お祭りでは大きな会場で、御園棚を使ってのお茶のデモンストレーションをしています。そのためのお稽古を始めました。 お花は庭で今を盛りに咲き乱れている木槿の花。 お棗は生徒さんたちから頂戴した藤蒔絵の中棗。お塗りは今年一月に被災した輪島の作家さん、『匠伯』 ただいま生徒さんとみんなで裏千家歴代のお家元を覚えています。 今月のお茶杓の作は6代まで遡って『第六代お家元六閑斎泰叟宗室』です The annual Japan Festival takes place on Labor Day in September. During the festival, we host tea demonstrations using the Misono shelf […]

茶通箱

  7月のお菓子は練りきりのサクランボ。庭の桜の葉っぱを敷いてお出ししました。 お花は5月から我が家の庭で咲き続けている桔梗です。 箱に和物茶入れのお濃茶、大津袋に入った黒棗のお濃茶。この2種類のお濃茶をお客様にお点てする点前です。 濃茶を2服点てるのですから時間がかかります。その上にお箱を扱う際のあしらい方がパズルのようで、なかなかスムーズに行きません。『脳のトレーニングになりますね』と皆さん真剣に覚えていました。 The sweets for July are cherry nerikiri, served on cherry leaves from our garden. The flowers are bellflowers that have been blooming in our garden […]

お祝いのお茶事 A Celebration Chaji

  5月晴れの美しい週末、門下生二人が亭主となり私の准教授拝受と純心庵十五周年を祝って、お茶事を開催してくださいました。 参加数が20名近くになったため、参加者の皆さんが亭主側、客側の2班に分かれ、土日の2日間でそれぞれの役割を決めて催すことになりました。正客は2日続けて私でしたので、美味しいお料理、お酒、お菓子とお茶を堪能しました。 2日目には、三月中旬に出産した生徒さんが可愛い女の赤ちゃんをお披露目にきてくださり、雰囲気が一段と和みました。 On a beautiful weekend in May, two of my students hosted a chaji (tea gathering) to celebrate my appointment as an associate professor and the 15th […]

恒例のWashington University での デモンストレーション

2024年4月 毎年ワシントン大学 Kendou Club と Japan Peer Network の学生さんからの依頼でお茶のデモンストレーションを披露していますが、今年は去る4月28日に大学構内のHillman Hallで開催されました。 準備期間が短かったため例年より参加者数が 少なかったようですが、それでも20名あまりの学生さんたちがお茶の歴史や精神についての講義を熱心に聞いてくださった後、お茶のお点前を興味深く見てくださいました。参加者全員にお菓子とお茶をお出しした後に質疑応答がありました。 日本文化の一つである茶道は、やはり欧米文化の中で育った学生さんや日本以外のアジアの国々からの学生さんにとっては、ミステリアスな部分が多いのでしょう。様々な質問がありました。また、お抹茶はどこで買えるのか?どんなお抹茶が良いのか?など抹茶に関する質問が多く出ました。昨今の抹茶ブームがうかがい知れました。   Every year, we present a tea ceremony demonstration at the request of students from the Washington University […]

六月のお稽古 Practice in June

2024年6月 自主練習の炉の時期に四ケ伝をお稽古していたとのことですので、風炉点前で四ヶ伝を一通りお稽古してみました。 屏風の開け閉め、拝見を出すとき、取り込むとき行の手をつく。 唐物茶入れ、天目茶碗、天目台、真塗りのお盆、中次茶入れ、元節・象牙の茶杓、それぞれの浄め方、扱い方。 茶筅通しの回数、拝見の仕方、曲水指の蓋の開け方、閉めかた。 それぞれのお道具の清め方、扱い方を習得していかなくてはなりません。 During the time of self-practice with the hearth when I was away, students practiced the “Shikaden.” So, this month we went through the Shikaden […]

茶道の体験

セントルイス在住の女性が、アイダホから尋ねてこられたお母さまとご一緒に純心庵に茶道体験に来られました! 日常生活でヨガをされたり、お抹茶を飲まれたりしていて、日本の茶道に興味を持たれ私たちのウェブサイトを見て連絡をくださったのです。 まずはお茶室の床の間のお軸『和敬静寂』を説明。薄茶点前を披露して手作り水ようかんのお菓子。 そのあと、盆点前をしながら基本的な袱紗捌きで道具を浄め、薄茶を自分自身で点てる体験をしました。 お二人とも初めてとのことでしたが、きめ細かにおいしそうなお茶を点てることができました。 A lady living in St. Louis came to Junshin-an for a tea ceremony experience with her mother, who had come to visit from Idaho! She […]

茶会@長野庵  Chakai at Nagano-An

      4月14日 いよいよミズーリ植物園内の茶室長野庵での月例茶会の季節となりました。 初夏を思わせるような好天に恵まれた4月14日に、朝10時から3時まで、5枠の茶席を設けました。 お軸はお茶の4つの精神「和敬静寂」です。清藍さんの書です。 お花は唯一庭に咲いていた木瓜(ぼけ)− quiceです。 お茶は初めての体験という方ばかりをお迎えして、蹲(つくばい)での浄め方、躙り口(にじりぐち)の入り方、お茶の精神、亭主の所作の説明、お客様のお菓子とお茶のいただき方等々、お客様にとっては異文化の茶道を少しでも理解し楽しんでいただけますようにおもてなしをしました。     The season for the monthly tea ceremony at the Chashitsu Nagano-an in the Missouri Botanical Garden has finally arrived. […]

お稽古 再開 

2024 年4月   4月より純心庵でのお稽古を再開しました。 お菓子は手作り桜餅。桜の葉っぱは昨年我が家の庭の桜の葉を塩漬けして一年間冷凍保存しておいたものです。 お軸は義父の詠んだ俳句『干し和布 はこばれてゆく かろき音』と梅の絵。書、絵とも義父の手によるものです。 季節が少しずれますが、まだ春のうちにと思い。 第1週は14日の植物園でのお茶会に向けて、純心庵を台目席に見立てて、台目風炉点前の点検をしました。 新人さんはお茶室の隅で、盆点前のお稽古。土曜日は二本立てでお稽古です。 第2週は台子炉濃茶、薄茶点前の稽古をしました。 本来は真塗りの真台子を据えるところですが、手持ちの行台子で代用。 皆具もセントルイス在住の陶芸家に注文しているのですが、未だに納品に至っていませんので、代用品で。。。 4月の後半の掛物は桜を愛でる大友黒主の色紙でしたので、六歌仙の一人である大伴黒主に因んで古今和歌集の六歌仙、小野小町・僧正遍照・在原業平・喜撰法師・文屋康秀・大伴黒主を皆で覚えました。 Since April, we have resumed lessons at Junshin-an. For sweets, I made handmade sakura mochi. The sakura […]